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銀魂(土方受)二次創作中心に小説。BL・流血表現等あり。嫌悪感を抱かれる方にはUターンがお勧め。
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(銀→←土のような)

明らかにつなぎ、な話ですが。

年内に終わらせられるといいなぁ…。


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「どーもー、万事屋でぇす。」

「おう、よくきてくれたな!」

 

                        近距離恋愛

 

開け放たれた襖。

そこから差し込む太陽光。

「今日はいい天気だな!うん!!」

昨日の大雨がうその様な晴天だった。

うーんと伸びをして深呼吸、すーはー。

「おい、何やってんだゴリラ。散歩の時間はまだまだ先だぞ。」

「誰がゴリラ。」

その、昨日の雨で発覚した雨漏り。

手の空いていた隊士に頼んでとりあえず応急処置を頼んだんだが、そのまま放っておく訳にもいかねぇ。

どうしたもんかと思っていたら総悟が来て、俺に任せなせぃという。

じゃぁまぁと言われるままにしていたら万事屋が来た。

「で?金はちゃんと貰えるんだろうなぁ。」

こっちゃ、報酬はずむからって聞いてこんなとこまで来てんだぜ。

「おいおい、それは仕事を終えてからだろ。」

「何がおいおい、ネ!銀ちゃーん、なんかこのゴリラ偉そうアル。」

「ほんとだなぁ。バナナでもやれば手懐けられるんじゃねぇか?新八、ちょっと持ってこい。」

「何を言ってんですか。ふざけてる場合ですか。」

「新八君の言うとおりだ。」

俺だって新八君の兄になる身として、万事屋はひいきにしとくべきだろうと総悟の勝手を受け入れているのに。

「その態度は一体何!?」

「ほらぁ、ゴリラが怒りだしたアル!はやくバナナ、バナナ持ってこいヨ!」

「いりません!ゴリラじゃねぇし!」

「うほうほ言ってるアル!」

「言ってません!」

と言いながら腕を組む。

まったくふざけた奴らだ。

「やる気はあるんですか!」

チャイナと銀時が口を開きかけたのを遮って、新八君が答えた。

「あります!」

「そうか、わかった。じゃぁ行こう。」

こっちだ、と三人後ろに引き連れて歩く。

「仕事が終わったらさっきの部屋に居るから、声かけてくれな。」

「おぅ、まかせろー。」

なんだ頼りねぇ返事だなと思って振り返ったところで銀時が声をあげた。

「げ。」

「あ。」

背後で上がったのは、トシのうめき声だった。

「…あんでこいつがここに居るんだ…?」

「トシ!」

「近藤さん、アンタ何してんだ。」

「いや、これは…その。」

別にやましいことでもないのにどもっていたら、銀時が。

「えっとー、どぉも今回は万事屋にご用命頂きありがとうございまぁす。」

雨漏りしたんですってぇ?災難ですねぇ、なんて能天気に答えた。

「雨漏り。」

そう繰り返したトシの目が、どういうことだと問い詰めてくる。

「ほら、昨日の雨で。」

「そんな報告入ってねぇぞ。」

「いや総悟が、こんなん副長通すまでもねぇって勝手に!」

じゃぁ、その総悟はどこに居るんだよ。

「これが局長のするべきことか!」

思わずすみません、と謝りそうになった。

「まぁまぁ、そんな怒ることじゃねぇだろこのゴリラもゴリラなりに考えてるんだからよ。」

「オメーは黙ってろ!」

ちらっとだけ銀時を睨みつけてすぐに向き直り。

「こういうことはとりあえず俺に一言言えって、いっつも言ってんだろ!」

「でも…。」

「だいたいなんでよりによって万事屋なんだ、他にいくらでもいるだろ。」

「だから総悟が…。」

「なんでもかんでも総悟のせいにすんな良い大人が!!」

「すみません!!」

しゅたっと膝をついて頭を下げる。

「頭下げろなんて言ってねぇ。やめてくれ。」

と、頭上から冷たい、でも少しだけ柔らかくなった声が降ってきた。

「はい…。」

そっとトシを見上げる。

トシは溜め息を一つついた。

「まぁ、今回の事は俺が気付かなかったのも悪かった。」

すまねぇ。

これは、許してもらえた、のか。

恐る恐る立ち上がる。

「トシ……。」

「よし、じゃぁこれで話は終わりか?さっさと案内続けろゴリラ。」

「オメーは黙ってろっての!」

…はぁい。

「さて。」

急にトシがにやり笑った。

「で?」

瞬間、嫌な予感が背筋をぞぞっと登って行った。

今しがた緩んだばかりの神経が一気に張り詰める。

「アンタ、当然だが報酬の事は考えてるんだろうな?」

「え、まぁはい。」

万事屋が修理をやってくれてる間に勘定方とかけあうつもりだ。

そう答えると、トシは更に唇をつり上げて言う。

「そりゃ、無理だぜ近藤さん。」

「…え?」

勘定方がアンタに金出す事はねぇ、絶対。

「えぇ!?なんで!!」

「自業自得だろ。キャバクラでちょくちょく散財してる様な奴に組織の金渡せるかってんだ。」

「えぇーちょっとトシィ、なんとかしてよ。」

「……キャバクラでバイトでもしたら?」

ちょっと待ってよオオォォォ!

必死の思い出で縋りつく。

「そうだそうだ、土方ちょっと待てー。」

えぇ、待って下さい、とここで銀時と新八君が声をあげた。

「土方さん、この仕事には僕たちの命がかかってるんです。」

「ゴリラの財布がどうなろうとどうでもいいが、この仕事が消えたら俺達にはもう食うもんがねぇ。」

だからこいつに金、出してやってくれねぇか。

「……。」

「二人とも…。」

俺は思わず涙を浮かべて銀時の顔を見た。

それからトシの顔を。

するとトシはこくりと頷いてあっさり、そうかわかった、と言った。

「ほんとに!?」

「おう、この仕事の報酬は近藤さんの給料から天引きさせてもらうわ。」

「あえええぇぇぇっ!!」

「ははっ。」

冗談だよ。

「どちらにせよ必要な経費だからな、俺が話通しとく。」

「トオオオオシイィィィ!!ありがとおおおおっ!」

飛びつこうとしたのを軽くいなされる。

「じゃぁ俺、まだ仕事あるから。」

そうしてトシは万事屋の脇をすり抜けて行こうとした。

ようやくほっと一息か、と思ったのに。

「待てよ。」

その手を銀時が掴んだ。

「何だ。」

「土方、ちょっと話があるんだけど。」

話?

「報酬の交渉。」

「近藤さんにしろよ。」

「ゴリラに人間の言葉は通じねぇ。」

笑って銀時は俺を見た。

「さっきの部屋、ちょっと借りる。いいだろ。」

「いいけど…?」

トシの顔いろを窺う。

「……。」

トシは、俺の方を向いている銀時の横顔を見ながらなにか考えているようだ。

「……。」

お、なんか思いついたらしい。

「近藤さん。」

トシが言った。

「眼鏡とチャイナに、菓子でもやっといてくれ。」

ちょっと行ってくる。

「おう…。」

「ありがと。じゃ。」

ちらっ、一瞬だけ微笑んでトシは踝を返した。

「頑張れヨー、銀ちゃん!!」

とチャイナが手を振った。

やれやれ、子供が心配するほど切羽詰まった状態なのか。

しばらくすると遠くで襖のすぱん、閉まる音が聞こえた。

それから何が起きたのか俺は知らない。

数分後には食堂で、お菓子の袋をあさっていた。




・・・



つづく



・・・




えー、題名は『きんきょりれんあい』です。

『こんきょりれんあい』ではないので、念のため…。





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