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銀魂(土方受)二次創作中心に小説。BL・流血表現等あり。嫌悪感を抱かれる方にはUターンがお勧め。
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(八土)

3Zで生ぬるい放課後…。

生ぬる過ぎてどうしようもない。


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ホコリ臭い国語科準備室。

そこには机とキャスター付きの椅子、ちっさいソファが2台にたくさんの本棚。

本棚の中には数えきれないくらいの本。

散らかった机の上にはペン、鉛筆、紙、消しゴム(とそのカス)、教科書、ジャンプ、眼鏡。

そしてさらにその上に。

押し倒されて俺が居る。


                                背中が痛い世界
 
 
「なぁ、先生。」

「……、またなんかあるの?」

あぁ、うん。

と俺は、机に乗っていない俺の、脚の間の先生の影になった喉仏を見ながら言った。

聞いてもいい?

「や、別に良くは無いけどそんな。聞きたいなら聞きなさいよ。」

うん。

「ねぇ、俺達はどうしてこんなふうにものを考えてるの。いつからものを考えてるの?」

「え?」

生まれた時から?

生まれる前から?

生まれて何年かたった後から?

「だって絶対!その瞬間があるはずだろ、意識の生まれる瞬間が。」

「考えろってか。」

うなずく。

「あー…!!また萎えたよ、もう。」

「はいはい。それはわかりましたから。」

「くっそー、せっかくいける空気だったのになァ!」

あれか、机の上が嫌なのか?とかぶつぶつ言いながら先生は、掴んでいた俺の手首から手を放した。

そして煙草を取り出し、火をつけながらソファに腰掛けた。

「さ、じゃぁこっちおいで。」

ソファをポンポン、叩いて俺を見上げる。

「うん。」

先生の隣に座る。

「よし、考えてみよう。」

「うん、考えてみて。」

スハー、煙を吐き出して俺の肩を抱く。さりげなく抱く。

のでさりげなくよっかかってみる。

先生の口の端っこが少し上がるのが見えた。斜め下から。

「そうだな。俺達は元々お母さんの腹の中のちっさいちっさい細胞一粒だったわけだ。」

「うん。」

「それもそもそも変な話だよな、よく考えると気持ち悪くね?」

気持ち悪い…?

「そんなこと考えた事ねぇ。」

実感…わかねぇ。俺、その時どんな事してたんだろ?

「つか、細胞一粒に何ができると思いなんですか土方君。」

「…それもそうか。ってことはその時点では意識もねぇってことか。」

「そうなるかなぁ。」

ほー、なるほど。じゃぁ次いってみようか。

「そうだな、次に…そのお母さんのお腹の中の細胞が、分裂分裂して人の形を持つ訳だ。」

「うんうん。」

「やっぱりこの時じゃねぇかな。」

と先生が、まだ長い煙草を灰皿にぐしり押し付ける。

それを見て、煙草吸いてぇなとぼんやり思う。

「駄目だよ。未成年なんだから。」

「え。」

それまでどっか斜め上の方を見ていた先生の顔がぐるりとこっちを向いた。

口が動く。た。ば。こ。

「……。」

エスパーかよ。

そっと先生の手を肩からのかして身体を離す。目をそらす。

「さ、どこまでいきましたっけ。」

うわー、その扱い傷付くな俺いま何も悪いことしてないのにな。

「うん、それはもうわかったから、それで?」

「…うん、えと。そだ、細胞一粒が人の形になった時に意識が生まれるんじゃないかってとこだったな。」

「生まれるの?」

どっから。

「…それもそうだな。」

「何もないとこからは、何も生まれないよ、ね?」

「さぁどうだか、場所があれば生まれるかもよ。なんかの拍子に。」

「えー…。」

それはなんか、無理があるような。

「や、わからんよ。骨細胞の突然変異とか。」

何で骨だよ。

「なんか白くて高潔なイメージが魂っぽいだろ。」

そうなの?

「そうだよ。」

「そうでもなくない?」

「そうだよ。」

あー…もうなんか、意味わかんねぇ。

「あ。」

「え?」

「こういうのはどうだ!!」

と先生が身を乗り出す。せっかく作った距離が一瞬で埋まる。

「お母さんの、意識が、流れ込むんだよ、胎児に。」

臍の緒を伝って、するっと。

「お母さんの、意識が。」

え。

そっと頭の中、想像してみる。

光みたいなものが半透明の管を通って移動する。

すごい、ね。

「あぁ。すごいな。」

そうしてどんどん大きくなっていく胎児と、それにつれて独立していく意識。

「で、出産?」

一瞬で切り離される母体と胎児。そして。

「それは完全に自分のものとなった意識を喜んで産声を上げる。」

「……。」

「たくましいねぇ。」

怖い、よ。

「少しな。」

「でもそれじゃぁ、お母さんの感情が欠けちまうじゃない。どうなるのさ。」

それはさ。

「…埋まるんだよ。」

先生はさらに顔を近づけて得意げに言った。

「新たに生まれる感情、わが子への愛で!!」

「愛……。」

え、なにくっさ!にあわね!

「ひっどいねまたぁ。俺の中の何かが今うしなわれたよ~。」

「知りません。」

やぁん。

乗り出していた身体を引っ込めて先生が言う。

「でも大丈夫だよ。」

俺の土方への愛はこんな傷おぎなって余りあるからね。

「きもいです。」

「ぐっさー。嬉しいくせしてこのやろ!」

「ちょ、やめて。」

俺の脇をこそぐってけらけら笑った。

そして一瞬、俺の頬に唇をつけた。

「まだ、聞きたいことある?」

「……もう、ないです。」

ん。

よかった。

 
 
 




・・・




このシリーズは、ふと思いついたことを整理するために使わせて頂いてる、というかんじで。

ほんと、自己満もここに極まれりという状況です…。

ここまでお付き合い頂きありがとうございました。

あ、書くまでも無いかと思いますが完全に個人の意見ですw

専門的な知識も何も無いまま書いています。すみません。


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