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銀魂(土方受)二次創作中心に小説。BL・流血表現等あり。嫌悪感を抱かれる方にはUターンがお勧め。
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(銀・高・土(銀土))

現代パラレルです。

ちょっと注意が必要かもしれませんので説明を。

小説家の高杉さんの死を中心に進んでいくお話です。

これが注意1です(-_-;)死にネタです。

しかも出オチです。高杉さんは、初めの4行で亡くなります。すみません。

注意2です。

銀土、銀高、高土という、三角関係です。割と節操のないかんじです。
 
また、いつもどおりの生ぬるいテンションでお送りします。

銀さんは画家という設定。

土方さんは…高杉さんと高校時代の同級生で、今は何やってるのかちょっとわかりません。

…こんなかんじです。
 
 かなり好き勝手かいてます。
 
お付き合いいただける方は、どうぞごゆるりとお願いいたします。


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「高杉。」

呼びかけた相手は、高杉は。

「悪いな、土方。」

その瞬間だけ笑顔を消して引き金を引いた。

 

                          The Intersection 

 

「お前の目の前で死んだのか。」

「あぁ。お前、怒る?なんでとめなかったんだって?」

いや、と坂田は答えた。

「とめなくてよかったんだと思う。」

俺にだって、きっととめられなかった。

「……。」

土方は、そっとうつむいて目を閉じた。

カーテン越しに午後四時の太陽光が差し込む薄暗い部屋で。

二人は小さな机を挟み、向かい合って座っていた。

一ヶ月前に高杉が死んでから初めての会話だった。

二人とも葬式には出なかったし、それもとてもささやかなものだったらしい。

土方はあの日から毎晩、土をかけられて見えなくなっていく高杉の遺体を夢に見る。

今も目を閉じて、それを想像した。

「どんな風だった?」

土方は目を開いた。

あいつは、と頬杖をついて坂田が言った。

「どんな風に死んだ?」

「どんなって…。」

土方は、それを鮮明に覚えている。

「冬の海岸。」

「うん。」

「きらきらって波が光って。」

ざらざらって静かに、張りつめた空気の中で高杉は笑ってた。

「あの笑い方か。」

「そう、あの笑い方。」

すぐそばに波の打ちつける音が、いやに遠く、ざっぱーんざっぱーん。

「そして銃声。」

坂田が、唇の端を歪めて言った。

「せめてその場に居合わせられたら良かった。」

明るい声色。

土方は思わず膝を抱えて縮こまった。

「すまねぇ。」

「なんでお前が謝るんだよ。」

「別に、お前に謝ったんじゃねぇよ。」

高杉は、と土方は言った。

「高杉は、きっとお前に居て欲しかっただろう。俺なんかじゃなくて。」

眼球の裏側に、引き金を引く瞬間の高杉が繰り返し繰り返し再生される。

悪いな、土方、と言う。

悪いな。

「そういえば。」

「うん?」

「高杉は何で俺に謝ったんだろう。」

最期に。

坂田は頬から手を離した。

「高杉が謝った?お前に?」

「あぁ、なんでだ。」

謝らなきゃならねぇのは俺のほうだろ、明らかに。

「うーん…。」

坂田はちょっと笑った。

「グロいもんお見せして申し訳ありません、ってとこじゃねぇの?」

「そんな殊勝な性格か、あいつ。」

「……それもそうだな。」

ぱちりと瞬き。

そうして立ち上がると、土方に背を向けて細くカーテンを開けた。

そっと、外の様子をうかがう。

逆光の背中がまぶしく光る。

「まぁ、どちらにせよ…。」

振り返ったが、影になった表情は見えない。

「どちらにせよ、この中で何かしら謝る必要があるのは俺だけだな。」

「え?」

「いつだってあいつの不幸の元凶は俺だった。」

出会った時からずっと。

「俺は自分でちゃんとわかっているのです。」

土方は、見えない坂田の表情を、目を凝らして見ようとしている。

なんとなく、笑顔の雰囲気だけがわかる。

「なのに懲りもせずお前に手を出してる。」

「それは…。」

「それは?」

土方は少し考えこんだ。

この掴みどころのない、不快感のようなもやりとした感覚を表す言葉を探した。

「それは。」

見つからない。

「…お互い様、だろ。」

苦し紛れにつぶやいたのも、あながち間違いじゃないと思った。

お互い様だ、俺だって差し出された手を取ったのだ。

「はぁ…。」

お互い様だ。

「おい、このタイミングでため息つくんじゃねぇよ。」

坂田は土方のすぐ隣に腰を下ろした。

「それは後悔か?」

そう、尋ねた。

「…後悔。」

土方はもう一度、後悔、と繰り返した。

「少し、違う気がする。」

また、しばらく考えてから土方は話しはじめた。

高杉が死んだことに対して、それに関しては確かに俺は後悔しているかもしれない。

「つまり、あの時にお前を選んだということで。」

「…選ばれてたの、俺?」

「そんなことは今はどうでもいいんだ。」

でも、俺は今こうしてお前と居られることが、嬉しい…そうだな、嬉しいし。

「若干の後ろめたさを感じないでもないが、ここにお前と俺と、二人で居るそのきっかけを、いや、原因を?作ったことを後悔は、してない。」

と、思う。

「うーん。」

坂田は首の後ろをかいて、それからちょっと肩をすくめた。

「なんとなく、わかる気もする。」

「わりぃな、うまくまとまらねぇんだ。自分でもよくわからない。」

「いいよ、ありがとう。」

驚いて土方は、坂田の横顔を凝視した。

「お前が、そんな素直に礼を言うなんてなんか…きもいな。」

「やかましいわ。」

笑い合って、でもすぐに黙り込んだ。

「……。」

「できることなら。」

ちゃんとその最期を見届けてやりたかったんだ、と坂田は言った。

「俺には、その責任があると思ってた。」

俺の枯らした才能の最期を、見届ける責任が。

「どうやら、思い過ごしだったみたいだけどね。」

「…坂田。」

「うん。」

笑いたい気分じゃなかった。

なかったのに、不自然に口角が上がるのを止められなかった。

嘘くさい。

きっと土方にもそう見えているだろう表情のまま、どうしようもなくて顔をそむけた。

泣きそうになった。






・・・





つづく





・・・





実は、もとは中学時代に書いてたものだったりします。

これを書く前に何回か読みなおしたんですけど、かなり恥ずかしかったですw






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