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銀魂(土方受)二次創作中心に小説。BL・流血表現等あり。嫌悪感を抱かれる方にはUターンがお勧め。
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(銀土)

ただデートするだけの話。

甘さ約20%増量中。(当社比)


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本日正午12時より、かれこれもう1時間。

坂田銀時はじっと真選組屯所前に座り込んでいる。

そうして目を光らせている。

門から出てくる(はずの)土方十四郎を見逃すことが無いように。

あの手この手で手に入れた土方の勤務表によると、今日の午後と明日一日彼は非番なわけで。

そんな貴重な休みを見逃す銀時でもないわけで。

電話で待ち合わせの約束を取り付けただけでは足りず、こうして張り込みを続けているのだった。

 
                                曇り空の下で

 
「お、土方!やっと来たな。」

出てきた瞬間、声をかければ刀に寄せられる土方の手。

ただその瞳孔の開いた瞳が銀時をみとめると、その手はゆっくりと刀を離れた。

それから呆れたように言う。

「……なぁ、お前さ。俺思うんだけどこれ待ち合わせした意味あんの?」

「あるよ。待ち合わせしてればお前、嫌でも行かなきゃって思うだろ。」

数少ない休み逃してまた会えないなんて嫌だからさ。俺なりにいろいろ考えてるのよ、と言うと土方はすごく冷たい目をして銀時から一歩離れた。

「ちょっと何その反応。銀さん傷つくよ。」

「傷つけば。」

「傷つくよ、いいの?」

土方は、いいよと言って笑った。

なんだか土方らしくない笑顔の浮かべ方だった。

ただそれは、煙草を銜えようとすぐに伏せられて消えた。

だから銀時もその時は、たいして気にも留めなかった。

「で、どうすんだよ今日?」

ふーっと煙を吐き出しながら流し目。

「うーん、べつに何か予定があって呼んでる訳じゃなぇからな俺も。」

「ま、そうだろうな。」

「そうだろうな、ってそれはどういう意味で納得してんだよ。」

「そういう意味だよ。」

銀時はどういう意味だよ、と言おうと思ってやめた。

土方がそう言う理由もなんとなくわかるような気がしたので。

「たまにはどっか旅行とかもしてぇよなぁ…。」

「や、無理だろ懐事情的に。」

「それは言わない約束だろ。」

「してねぇよそんな約束。」

それから土方は少し上を見上げ、銀時の先を5歩あるいた。

銀時もそれを追って、一歩、二歩。

ぱっと背中が振り返る。

一瞬するりと揺れる黒髪、ひらりひらめく着流しの裾。

そうして、煙草銜えた唇が言う。

「団子でも食うか。」

「はいっ!」

大賛成、まいりましょう。

 

10分後には最寄りの団子屋。

皿の上には団子が一本、二、三本。

すでに銀時の腹の中に収まったのも三本。

土方は、皿の上の団子一本にマヨネーズぶっかけた後、手を付けていない。

いつになく饒舌。

煙草の消費率も異常に高い。

「それで俺ぁ、総悟に言ってやったんだ。近藤さんはゴリラじゃねぇ。」

「うん、まぁお前としちゃそうだろうね。」

「そうだろ?だいたい部下が上司のことゴリラって…、そりゃねぇわ。」

「うん、でもそれもう今更じゃね?それより土方。」

「今更ってったって気に障るもんは障るんだよ。てめぇもその天然パーマいい加減何とかしろ。」

まだ長いものをもみ消して新しいものに火をつけたり。

「いやちょっとそれは今関係ないでしょ、それより土方。」

「関係ないこたねぇだろ、こうやって仕事の時間けずって会ってんだからよ。」

「うん、わかった。わかったけどそれより土方。」

かと思えば火をつけた後、その灰が長くなって落ちるまでそれに口をつけずにいたり。

「なにがわかったってんだ、お前はなんもわかってねぇ!俺がどんだけゴリ…じゃねぇや近藤さんのことを案じてるかぜんぜんわかってねぇ!!」

「いや、お前もゴリラって言っちゃってるからね、じゃなくて土方。」

「そもそも誰だ一番初めにゴリラとか言った奴、ぜってーいつかぶっとばす!」

明らかにおかしい。

「おい、土方聞けってば!」

「……あんだよ、しつけぇな。」

「あ、やっと聞いてくれる気になったのね。あのさ、土方。」

わかりきったことを改めて聞いてみる。

なんかあった?

聞いてどうなるわけでもないが。

土方がちらりそっちを見た気配もあったが銀時は、あえて視線をそらしたまま四本目の団子を取る。

返事が無いのをもうちょっと、もうちょっとと思いながら待った。

「別に。」

じっと見つめられる感覚に振り向けば薄墨色の瞳。

「何も無い日なんてねぇけど。」

土方も、自分の挙動不審に気付いてはいた。

おととい隊士から切腹する奴が出たからな、ちょっと動揺してたのかもしれねぇ。

「……。」

銀時は、思わずその瞳から目をそらして二度見した。

あぁ、そっかこいつそういうとこで働いていたんだよなって何か、ふと気付いたように銀時は思った。

それってどうしてもそう、むかーしむかしの思い出みたいにともすれば忘れてしまう、ものだから。

だけど俺が、土方かっさらって逃げようとしてもそれはどうしたって付きまとってくる。

でも都合の悪いものはないことに、なかったことにしたいと思う時もある。

だからそう、まるであの血に染まった思い出みたいに見ない振りして。

ふと思い出した瞬間で深く傷ついたり、する。

「そうだよ、な。」

「あぁ、わかってるだろ。」

「……あぁ。」

まぁでもなんつーかあれだな、と言いながら土方は湯飲みを手に取った。

「お前如きに心配されるなんざぁ、俺もまだまだ…。」

「まだまだ修行が足りんのう。」

おう、そういうことだ。

なんだかはにかむように微笑むものだから、銀時で頬が熱いような気分になる。

ごまかすようにほっほっほと笑ってみる。

「でもお前、俺の修行が完成してだよ、感情なんにも読めなくなったら嫌だろ。」

「……うん、嫌だよ。」

答えて、五本目に取りかかる。

しばらくもぐもぐとやってから、土方に向き直った。

「土方ぁ、俺やっぱお前の事好きだわ。」

血生ぐせぇトコも、ぶっきらぼうなトコも、目つき悪いのも全部ひっくるめてな。

「は、今更。」

俺もだよ。











なんだか恥ずかしいものが出来上がってしまいました。
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