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銀魂(土方受)二次創作中心に小説。BL・流血表現等あり。嫌悪感を抱かれる方にはUターンがお勧め。
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(銀土)

続・だってしかたないの。土方君、銀さんに会いに行く!の巻。

これもM氏に捧げます。


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ピンポーン。

はーい……っと、あれ土方さん。

よぉ。

めずらしいですね、どうしたんですか?

あの…アレ、坂田……。

あぁ、銀さんですか。それがまだ入院中で、僕も今からお見舞い行くとこなんですよ。

そうか。ひどいのか。

えぇ、まぁそうですね。でももう大分落ち着いてますよ、そろそろ1週間になりますしね。

そんなんになるか。

はい、あの人の事だからもう走れる位まで回復してるんじゃないですか。

たしかに。

はは、入院費払えるうちに早く退院してほしいんですけどね。

そうだな……、あ、あとコレ…アイツが帰ってきたらやってくれ。お前らで食ってもいいんだが。

わー、すみませんありがとうございます!なんか気を使わせちゃったみたいで…。

いや…、じゃぁまぁ俺はそろそろ……。

あぁそうだ、土方さんも一緒に行きます?お見舞い。

え。

用があったんですよね、銀さんに。

ま、まぁそうなんだけど別にまだ帰ってきてねぇなら…急ぐ事じゃねぇし。

そんな遠慮しなくていいですって、らしくないですよ。

遠慮っつーか……。

いいから行きましょうって。きっと銀さんも喜びますよ。

そんな…喜ぶわけねぇだろ。

はいはい。

はいはいってオイ。

はいはい。


                                 もうしかたないの


「……寝てんのか。」

「うん、寝てる。」

「起きてんじゃねぇか。」

うん、まぁねと銀時が、目をつむったまま言った。

いたるところに包帯巻いてる銀時は、なんだか少しいたいたしい。

一緒にきた新八は、ベッドの脇の椅子に積まれていた洗濯物を持ってどっかに出て行った。

気ぃ使ったつもりなのか。

お前は姑か、あとは若い二人で…、ってやつか。

「あとは骨が治ればいいんだよ。」

「え?」

「いやさ、別にもう退院してもいいんだよ、俺は。なのにどーも信用なくてなァ。」

家返したら治るもんも治らねぇって放してくれねぇのよ。

「まぁ俺も前科持ちだし?しかたねぇっちゃそうなんだけど。」

「へぇ。」

挨拶も、見舞いの言葉も無いままながれでさっきまで洗濯物の乗ってた椅子に座る。

そこでやっと銀時が目を開いた。

「お前が来るとは思わなかった。」

「だろうな。」

「でも嬉しいよ。」

「そうか。」

怪我したのか、無様だな、どんくせぇ、せいぜい笑ってやろうと準備してきた嫌味は全部言えなくなった。

銀時があんまり毒気のねぇ笑顔を浮かべてるもんだから。

ほだされてるなと、少し思ったけど。

「新八が無理言ってひっぱってきたんだろ。」

「いや、そういうわけじゃ……。」

「でも嬉しいよ。」

そういうわけじゃねぇって。

「じゃぁ、どういうわけ?」

じっと、見つめられて言葉に詰まった。

「……。」

銀時は、口の端をつり上げて軽く、ふふんと笑った。

俺はそれから眼をそらして、その胸元の包帯のちぢれを見つめてみたりした。

「なぁ土方。」

俺の気持ち、ちょっとわかっただろ。

お前がどっか怪我こさえてくるたんび、俺がどんなふうに思ってるか。

「…まぁ、少しは。」

「うんうん、素直でいいね。」

「うるせぇ。」

うんうん、胸がきゅーってなって背筋がぞくぞくして、手の先がしびれるような感じ、しただろ?

「……したよ。」

「うん、俺テレビでニュース見る時とかいっつもそんな気持ちになってんだからね。」

なんだその言い方、自慢してるみてぇだぞ。

と思ったのも一瞬、口をついて出たのはなんか、いやだな俺。

「お前だけじゃねぇ。」

「……?」

俺だって、ならねぇわけじゃねぇ。

いっつも山崎とか、人づてに噂聞いて、ならねぇわけじゃねぇんだ。

「心配した。不安になった。だから来たんだ。」

「……え。」

ぱちり瞬きする銀時のまぶたのふちで銀色のまつ毛が光る。

「今、心配したって…。」

言った?

だから、なんかいやなんだって俺。

「驚き過ぎだろ。」

「ちげぇよ、感動してるの。」

そっかそっか、心配したか…。

かみしめるみたいに言う、頬が緩んでる。

だから、なんかいやだったんだって俺!なんだこの空気。

「土方ァ、今日はやたら素直だね。」

「うるせぇ。」

外から近づいてくる足音。

「新八かな。」

くっそう新八か、アイツもこんな奴に振り回されて大変だ。

多分寺門通の曲だろう、鼻歌まで聞こえてきたところで立ち上がった。

「俺、もう帰るから。」

そろそろ煙草吸いたくなってきたし。

「帰るのか。」

緩みっぱなしの顔が俺を見上げる。

「あぁ。万事屋に菓子置いて来たから、ガキどもに全部食われちまう前に帰れよ。」

「へっ、ありがとさん。」

部屋を出て、すれ違った新八に手を振られた。

振り返してみた。



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